好きだよ。~100回の後悔~を小説にしてみた
ひょんなことからこれやったら面白いんじゃねという自己満足でソナーポケットの「好きだよ。~100回の後悔~。」を小説にしてみようと思うw
- アーティスト: ソナーポケット
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2011/01/26
- メディア: CD
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この時期になると愛華のテンションが高くなる。
「裕也~今年はどうする~去年はあそこに行ったから~…」
毎年この時期になるとこんな調子だ、よくもまあ飽きないもんだ。俺と愛華はもうかれこれ高校一年から付き合っているから三年も一緒だ。最初は美紅からの紹介で学校は違ったが付き合うようになった俺たち。美紅には本当に感謝している。今は三人一緒の大学に通っている。と言っても名前を書けば入れるようなところなのだが…
「ねー!ちょっとー聞いてますか~?」
「聞いてるよ。」
「また、Dランドでも行って来いよ!」
「うるさいな~黙っててよ💢」
こいつが俺の親友で美紅の彼氏の竜二。竜二と俺は幼馴染で実は愛華と付き合えたのも本当はこいつのおかげwちなみにこいつも一緒の大学。俺らはよく四人で行動するのだが、愛華と竜二はどうもかみ合わないwこんな感じでわちゃわちゃしながら帰るのが日常だ。
「愛華今日泊まってもいい?」
「別にいいけど」
「んじゃ俺も~」
「お前はダメに決まってんだろ」
「は~なんでだよ、俺も泊まる~」
「あんたは美紅んちに行きなさい!」
「え~美紅も一緒に泊まろうよ~」
「俺はいいなんていってねーぞ」
「そうだよ竜二、帰るよ!じゃまたね!」
「ばいばーい」
そう言って美紅は竜二を連れて帰った。
「竜二ってなんでいつもあんな感じなんだろうねw」
「昔からあんな感じだよ」
「ふ~ん、変なの!なんで美紅はあんなのと付き合ってんだろ。なんでだと思う?」
「さーね、俺にもわかんないw」
たわいもない会話をして過ごすこの時間が俺は大好きだ。
部屋について愛華が作った料理を食べてゲームをして盛り上がった後僕たちは寝ることにした。
「今日も疲れましたな~」
そういって僕の腕を枕にするのが彼女の癖だ。これがなんとも可愛い。
「今年のクリスマスはどうするんですか!?」
「まだ決めてないやw」
「か~ひどい人だね君は愛華がこんなに楽しみにしているのに。」
「そのうちちゃんと決めるから。」
「もう…」
そんな話をしているうちにいつしか僕たちは眠りについていた。
クリスマス当日
「事故だけはごめんだからね!」
「じゃあ運転させないでくれよw」
「いいのいいの、遠くまで行きたいじゃん」
ペーパードライバーの俺の運転で今日はイルミネーションの綺麗なところまで行くことになった。
「ねえねえ、映画見に行こうよ!新作のあれ面白そうじゃない?」
「そうだね。じゃあ映画館行こうか。」
とくにイルミネーションを見る以外予定を立てなかった俺は愛華の直感に身を任せていた。
さすがに映画館も混んでいた、まあ今人気の若手俳優二人の共演ときたらそりゃみんな見にきますわなw愛華もこういう映画が大好きだ。僕はしょっちゅう振り回される。映画も予想通りの感動系、愛華は僕の手をそっと握って泣いている。いつものことだw
「めっちゃ泣けたね~いやーもう一度見ても泣いてしまうね。」
「そうだな。」
「とか言って、裕也は全然泣いてなかったじゃん。」
「あははw」
「もう裕也は全然わかってないな~」
「あのシーンはね…」
こうやって解説してくるのも愛華の癖。解説されても俺はあまり共感できないんだけどw外に出るとあたりはすっかり真っ暗になっていた。
「そろそろ行く?」
「そうだな。行くか」
なれない運転をちょっとすると、とてもきれいなイルミネーションのある所についた。
「早く行こうよ!」
「ちょっと待ってろ、今くるまとめるところ探してるから」
こっちの運転はお構いなしにイルミネーションの方ばっかり見ている愛華。俺が事故ったらどうすんだか…なんとかなれない駐車を成功させ、早歩きの愛華の後ろをついていく。
「うわ~きれ~い!ねえ写真一緒に撮ろ!」
「いいよ。」
大きなクリスマスツリーを背景に僕らは写真を撮った。その後ちょっとおしゃれなレストランで食事をして、車に乗って帰った。
「あ~楽しかった!おなかもいっぱいだし。」
「無理して食べなくてよかったのに。」
「だって、もったいないじゃん!」
「太るぞw」
「うるさいわい!」
…
「ねえ、裕也」
「何?」
「来年も再来年もずーーーーっといつまでも一緒にいようね!」
「うん。」
幸せという言葉がとてもよく似合っているそんな空気が流れていた。
「今日はほんとに楽しかったです。ペーパーさんありがとうございました。」
「来年は愛華の運転な!」
「さー?どうでしょう。」
「ずるい女だな~」
「ほめるなって!大好きだよ裕也…」
そういってキスをして車をおりようとする愛華の手を引っ張りキスをする。愛華の顔が赤くなる。そうして二人の時間を過ごしてから愛華は家に戻った。本当にずるい女だ…愛華の嫌いなところなんて忘れてしまうほどに彼女は可愛い。ツンデレぐわいがいい…何てこと思いながら気の抜けた運転で家に着いた。こんな幸せがずっと続けばいいと思って布団に入るとすぐに眠りにはいった。
雪はなくなり少しずつ蒸し暑さを感じるようになったこの頃、一限に間に合いそうもないなとおもって再び寝転がり携帯をみてみると、愛華からメールが来ていた。
「ちょっと話があるんだけど」
その文字だけがが見え焦り気味にメールを開くと
「ちょっと話があるんだけど…今日は四年目の記念日だよ♡やったね!プレゼント買ったから期待してろよ♡」
とりあえずホッとして返信を返す。
「びっくりしたー!期待してるね♡」
そして、愛華のメールが消えないようにした。♡の絵文字を使うようになったのも愛華と付き合いだしてからだ。とりあえず二限に間に合うように家を出た。
「おつかれ~」
「おう、竜二!愛華見なかった?」
「愛華ならさっき教室で誰かと話してたぞ。」
「そっか、あ、今日は二人で先帰っててよ。」
「なんだよつめてーなー…そっか今日お前ら記念日か!じゃあお先に失礼しあーす。美紅~いくよー。」
それからしばらくたって愛華がきた。
「お待たせしました!」
「結構待ったんですけどw」
「申し訳ない、加藤君とお話してた。」
「話って?」
「いや、別に大したことじゃないけどさ!それよりもこれ見て!じゃーん!」
そういって俺の目の前に愛華は二人の名前が入ったリングを見せつけてきた。
「お~スゲーじゃん。どこで作ったの?」
「教えなーい。」
「なんだよ、ケチいな。でもありがとう!」
「えへへ、裕也のプレゼントは?」
「あ…」
「え?ありえないんだけど…」
「ごめん、今日朝から時間がなくてさ。今から一緒にどっかいこ?」
「ほんとサイテー。ま、いいや私をものすごく楽しませてよね!」
「ほんと、ごめん。何でもしてあげる」
「なんでも?じゃあついてきて!」
そういって愛華のいつまで続くかわからないわがままに付き合った。
「ふー。楽しかった。」
「疲れた~。」
「よし、じゃあ帰ろっか。裕也の家に!」
「そだね。」
そうして二人は家に帰った。愛華はお気に入りのラブソングを流しっぱなしにしながら俺の腕枕で寝ている。そんな彼女に指にも俺にくれたのと同じリングがついていた。自分の情けなさに出た涙をふいて眠りについた。
二日後愛華に忘れ物を届けるため愛華の家に行った。部屋から出てきた愛華の目ははれていた。
「目、大丈夫?風邪?」
「あ、うん。ちょっとね」
「そっか、これ忘れ物。それじゃ、お大事に。」
「え、あ…」
ガチャン。
一緒に遊ぼうと思ったのに残念だったが、風邪なら仕方ないと自分に言い聞かせながら帰ることにした。
記念日の日に覚えた何気ない焦りがすぐそこまで迫っているとも知らずに…
「先に帰ってていいよ。愛華用事があるから。」
今週は一度も一緒に帰らなかった気がする。そんなことを考えながら美紅と竜二の後をついていく。
「裕也!元気ねーなー。喧嘩でもしたのか?」
「いや、喧嘩した覚えはないんだけど。どうも最近おかしい気がして…美紅なんか聞いてないの?」
「私は何も聞いてないけど。」
「あいつも忙しいんじゃねーの?そろそろ就活じゃん!あー就活か~ついにやってきてしまったな~昨日入学してきた気がするのに…」
「竜二はのんきねw」
「美紅助けて~」
どうにも、気分がのらず、気分転換にと愛華とよく来たバッティングセンターに一人で行くことにした。愛華はよく嫌なことがあると俺を連れてここに来た。
「とりあえず気持ちよく100キロからいくかー」
小学校の時に野球をやっていた俺はこのぐらいは余裕で打てる。
「おおーすごいじゃん。加藤君」
「いや、俺高校まで野球部だったからさ。」
聞きなれた声と聞き覚えのある名前だな~。そんなことをぼんやり思いつつ1ゲームを終えて休憩をしていた。なんだかあんまりすっきりしないな~そんなこと思って、ふとさっきの声の方を見ると愛華が笑顔で加藤のバッティングを見ていた。体が震えた。信じられなかった。俺はすぐにバッティングセンターを後にした。その日ことを美紅に打ち明けると。
「裕也、愛華のことちゃんと見てあげてた?」
「見てたよ!」
「愛華に不満がないとでも思ってた?いつも自分ばっかりがはりきって、そんな温度差に愛華が気づいてないとでも思った?いつも、泣きながら次の日に電話してくる愛華のこと知ってた?」
知らなかった…何も知らなかった…いつの間にか自分中心になっていたことに気づかなかった。愛華は楽しんでるからこれでよかったんだと思い込んでた。自分の見たいように愛華を見ていた…
その日の夜愛華からのメールで別れを告げられた。
俺に返信する気力もなく携帯を放り投げて考えることも、眠ることもできずに夜を明かした。
何日か学校を休んだ後、半分放心状態で学校に行った。うわさが広まったのであろうみんな何も声はかけてこない。逆にありがたかった。授業が終わり帰ろうとしていたところ。
「裕也!久しぶりじゃん。生きてますか~」
竜二ではない、女の声だった。顔を上げると、そこには明美がいた。
「まあまあ、あたしが話を聞いてやるよ。」
そういってなんとか久しぶりの授業を乗り越えた俺を半ば強引に連れて行った。
明美は高校の友達でたまたま大学も同じになった友達だ。美紅の次になかのいい女友達だ。美紅とはあれ以来連絡を取っていない。簡単に事情を説明すると。
「なるほどね~まあ要するにお前が鈍感だったってことだ!」
明美はいつもこんな感じに特にいいことを言ってくれるわけでもないが、なぜだか嫌いではない。
「とりあえず、酒飲んで忘れるしかねーなw」
そういわれて、また強引に明美の家に連れていかれてかれこれ結構な時間がたった…
「新しい女でも見つけてさ。忘れちゃいなさいよw」
「そんなやついねーよ。でも忘れるしかないよな~」
「そうそう、忘れるのが一番!」
2人ともそうとう酔っていた。
「よし、じゃあ今日はお前んちに泊まろうかな」
「そうだな、泊まっていけ!」
愛華の家以外女子の家になんて泊まったことなんてなかったが、そんなことは関係なかった。
それからは明美の家に泊まることが多くなった。一人でいるとどうしても気がめいってしまうため一緒にいてくれる明美の存在はありがたかった。明美が俺の腕を枕にして言う。
「ねえ、付き合ってよ。」
「いいよ。」
こうして俺は愛華を忘れるために新しい恋を始めた。
明美との関係は良好で、今度は二人で映画に行く予定がある。明美は少しがさつだけど可愛いし別に悪くない。
「これ見ようよ。泣けるらしいよ。」
「いいよ。」
映画は王道の感動系。感動のシーンでは誰も握ってくれない手を自分で握りしめた。
「なんか王道すぎてつまんなかったね」
「そうだね…」
家に帰っても愛華のことが頭から離れない。忘れよう忘れようとするほど、楽しかったころを思い出してしまう。愛華の嫌いだったところとかそんなのは思いさせなくなってしまった。そんな思いを消そうと明美に返信を返そうと思って携帯を手に取ると、そこには愛華とクリスマスツリーを背に笑っている俺の顔があった。今の俺はこの笑顔で笑っているのだろうか…メールを開いても愛華からきた特別なメールを保存したファイルを消さないでいる自分がいた。今でも俺は愛華を忘れることが出来てないのに明美と付き合ってるなんて…一体俺は何をしているんだろう。そんな自分に無性に腹が立ちバッティングセンターに向かった。
愛華はいない。1人でいつもの100キロを打ち続けた。溢れる涙をこらえながら…
次の日俺は明美に別れを告げた。明美は
「知ってたよ。裕也時々悲しい顔するんだもん」
っと言われた。俺は謝り続けた。自分の都合のいいように明美を傷つけたことを。
「もう、いいよ。私も分かっててやったことだし。」
そう言ってくれた。
その夜俺は誓った。もう、誰も傷つけないと…
次の日俺は愛華に謝りに行くことを決め、愛華の家に向かった。懐かしい景色だった。そこにも愛華との思い出がたくさんつまっている。俺の人生は愛華で溢れている。
愛華の部屋の前まで来たが様子がおかしい。誰も住んでいないようだ。そうえば学校でも最近見てなかった気がする。加藤と同居でも始めたのだろうか…高まった気持ちが一瞬でおさまり帰宅した。
ある日の学校で竜二が久々に話しかけてきた。
「お前明美と別れたの?」
「そうだよ。」
「やっぱりな、お前まだ愛華のこと好きなんだろ!?」
「そうだよ。でも、愛華は今加藤と…」
「え?お前知らないの!?あいつもうとっくに別れてるよ?」
「え?そうなの!?」
知らなくて当然だ。ずっと見て見ぬふりをしてきたのだから。
「でも、愛華最近学校にも来てない。美紅に聞いても教えてくれねーし。どうなってんだよ。そうえば、話すの久しぶりだけど別にお前のこと嫌いだったわけじゃねーからな!なんか美紅が話しちゃダメって言うから。」
「竜二!美紅に電話かけてくれ!」
「お、おう。」
「なに?」
「俺だよ、裕也。」
「何の用?」
「なぁ、教えてくれ。愛華は今どこにいるんだ?」
「今さら愛華に会ってどうするの?」
「謝りたいんだ。」
「謝ってどうするの?」
「もう一度チャンスが欲しいんだ。今度こそ愛華を幸せにする。俺、やっと気づいたんだ。俺が1番愛華を必要としてることに。別れてから、俺の人生が愛華で溢れていることに気づいた。俺の腕を枕にして寝ることや映画を見ながら手を握ってくる。そんな小さなことも含めて俺は愛華が大好きだったんだよ。そのことを伝えたいんだ。」
「やっと気づいたんだ。愛華はあの部屋にいたくないって言って家で一緒に暮らしてるよ。学校にも行きたくないって。あんたがしたことは愛華人生を狂わせたんだからね!しっかり責任取りなさいよ!」
「美紅ありがとう。今から行く!」
そう言って電話を切ると美紅の家に向かって走った。一瞬でもはやくこの思いを届けたくて。
美紅の家の前に1人の女性が立っていた。遠くからでも分かる。愛華だ!そして愛華の目の前に立って泣きながらこう言った。
「愛華!お前の気持ちに気づいてあげられなくてごめん。いっぱい傷つけてごめん。100回くらい忘れようとしたけど、もうダメだよ。気づけばいつもお前のことばかり思い出してた。今更だってわかってるけどやっぱり好きだよ。ごめんね。もう一度またやり直したい」
2人とも涙を堪えきれず。鎖から解き放たれたかのようにいつまでも涙を流していた。
あとがき
ど素人が名曲を妄想で勝手に物語にしました。賛否両論あるかとございますが、コメントしてください。今後も時々自作小説シリーズやっていけたらいいな〜と思ってます。いちよ、歌詞に出てくることは全部含めたつもりなので探してみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。